【新唐人2017年4月2日】
米国司法省は、国務省で情報収集を担当する女性職員を中国の情報機関員と接触した記録を隠蔽し、FBIに対し虚偽の説明をしたとして3月28日に逮捕したと発表しました。この職員は中国政府に批判的な人物の情報も中国側に提供していました。
60歳のクレイボーン(Candace Marie Claiborne)は1999年から米国務省に勤務し、機密文書にアクセスできる立場にありました。事務所の管理者として中国の北京と上海に駐在していました。
米連邦調査局(FBI)は3月28日、2人の中国の情報機関員が過去5年に亘ってクレイボーンともう1人の共謀者に対し、数万ドルに上る現金や物品を渡す見返りとして、米国政府の内部情報を受け取っていたとして、刑事告訴しました。クレイボーンの共謀者が中国で刑事事件を起こした際、2人の中国情報機関員が国外に逃がし調査の手を逃れさせていました。
告訴状はクレイボーンが中国の情報員に機密情報を漏らしてはいないとしながらも、「機密ではない経済関連のレポート」とかつて駐中米大使館でかくまっていた反政府派の人物に関する資料を提供したことを認めたと指摘しています。
この2人の中国情報員は上海の国家安全局に所属し、そのうちの1人は貿易商に成りすましていました。
中国国家安全部の元諜報官 李鳳智氏:「国家安全部の職務はまず第一にスパイの防止で、その次がスパイとなって情報収集することです。そして3つ目が国内の反政府派の人物、共産党に異論を持つ者や宗教団体などを監視し調査し、さらには取調べ、迫害まで行います。この3つ目の職務は中国の情報機関特有のものでしょう。」
クレイボーンの勤務期間に照らし合わせると、彼女が中国側に情報を漏らした反政府派の人物とは、盲目の弁護士、陳光誠(ちん こうせい)氏であると見られます。
法律家 騰彪氏:「中国と他の国が異なる点は民主的な体制ではないという点です。ですから国家と政府、そして党の利益が相容れないのです。共産党と政府が中国の利益を損ね、国民の基本的権利や基本的な自由を奪っているのです。中国政府への情報提供が、人権派や反政府派の人々を危険に陥れる深刻な事態を招くこともあるのです。」
告訴状は、最高機密にアクセスする立場にあったクレイボーンは接触のある外国人について報告する義務があり、また彼女自身、この2人の中国人がスパイであることを明確に知っていながら、FBIの捜査に対して事実を隠し、さらには証拠を隠滅しようとしたと指摘しています。
クレイボーンは3月30日に初めて裁判所に出廷しましたが、罪を認めていません。捜査を妨害したこと、捜査当局に虚偽の説明を行ったことの2つの罪で訴追されており、もし罪状が成立すれば最高25年の禁固刑となる可能性があります。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/31/a1318237.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)